日系人の子供達2
さて、子供たちの日本語の授業ですが何しろ週1回3時間しかありませんから大変です。週1回の英会話教室に行って旨くならない英語と一緒で、皆一週間前に勉強したことなどは忘れてしまいます。しかも日本語能力はバラバラです。子供によって全く違います。どうも親が熱心だと日本語も上手になるようで良く日本に連れて帰ったりとか、日本語環境を作って上げて日本を好きにさせるというのが大切みたいです。
クラス分けも、単純に年齢別とは行きません。小さい子供のクラスに大きな子が交じったりしています。(これも子供と親を配慮して日本語が旨くなくても年齢に近いクラスで授業を受けさせているようです。)学校では季節折々の日本の祭りごとを必ず行っています。お正月には餅つき、2月の節分には教室や校庭で豆まき、桃の節句、端午の節句、七夕、盆踊りと大切にしています。子供たちもとても楽しみにしていてこういう時は生き生きしています。父兄もこういう行事ごとには熱心で子供たちと一緒に日本を味わって楽しんでいるようです。
普段の日にも1時間目と2時間目の間には全校生徒が集まって校庭でラジオ体操があります。あのおなじみの夏休みに聞いた曲と声が流れ響き渡るのです。そこには日本以上の日本があります。日本を離れているからこそ日本を思うのでしょう。
授業も堅苦しく教えるよりはこういう行事や習慣などを通して日本語を勉強させた方が生徒は付いてくるようで地名や人名(人気歌手は効果的です)などは覚えてくれます。驚かれるかも知れませんが「花札」はとても人気があるんです。絵が綺麗でトランプ感覚なのでしょうか、単なるゲームだからでしょうか皆好きです。これをやると熱中して1時間の授業はすぐに終わってしまいます。次の時間もやろうとリクエストがあるほどです。雨の札が“Rain man”松の札は”キャクタス”(サボテンに似ているからでしょう)と自分達の覚えやすいように呼び方を変えて遊んでいるのはご愛嬌です。同じくカルタも好評ですがさすがに百人一首は難しすぎてムリです。
生徒は皆素直でよい子が多いようです。学校でのイジメなどは聞いたこともありません。狭い日系社会で親同士が何らかの形で繋がっているせいか、お互いに助け合いながら暮らす日本の田舎の小さな学校を思い起こさせます。僕のクラスには元気がよくて仲良しの3人組が居ました。セーラームーンが大好きで授業中に回し読みしていましたけど、その子達もすでに25~26歳になって社会人です。この学校を僕が辞めて13~14年経ちますが今でも毎年必ず1回は皆集まります。段々大人になって来て食事のときにお酒を呑んだりして色んな話をしますが、会えばあの日本語学校ラジオ体操時代にすぐに帰ってしまうのです。日本を日本に居る人達以上に思う人達がこの地に住んでいます。





コメント